Spinning Process「初期費用がかかりすぎる」
「小ロットで試作したい」
「短時間で結果を出したい」

そんなプレス加工の課題は、スピニング加工で解決できます。
プレス加工は、金型で金属板を一気に成形する加工方法で、大量生産や同一形状の製品づくりに向いています。高速で安定した生産が可能ですが、金型の制約から形状変更が難しい場面もあります。
スピニング加工は、回転させた金属板をローラーで少しずつ成形ながら形を作る技術で、金型の自由度が高く、複雑形状・小ロット・試作に強みがあります。
プレス加工で行っている内容の多くはスピニング加工でも対応可能です。スピニングに切り替えることで、金型コストや形状制約など、プレス加工のお悩みが解決するケースも多くございます。
スピニング加工は、プレス加工と比べて金型費を1/3以下に抑えることができ、段取りも簡単なため、1個から対応可能です。
プレス加工で3工程かかる形状も、スピニングなら1工程で完了。
専用の高額金型を用意せず、最小限の治具で成形できるため、初期費用を抑えながらスピーディーに試作可能です。
少量生産や設計変更にも柔軟に対応し、製品化までの時間を短縮します。
複雑形状・非対称形状・試作段階での短納期対応にも強みを発揮できます。
Reasonプレス加工ではなく、スピニング加工が選ばれる3つの理由
最短2週間。短納期で試作が可能
スピニング加工は、金型製作の手間が少なく、試作にかかる時間を大幅に短縮できます。
プレス加工では金型完成までに数週間かかることもありますが、スピニング加工なら最短2週間で形状を試作可能です。
試作・検証・設計変更をスピーディに回せるため、開発段階でのリードタイム短縮に貢献。開発スケジュールの遅延リスクを抑えられます。
金型費用を抑えられるため、
試作・小ロットも無理なく対応
プレス加工では、専用金型の初期費用が数十万円〜数百万円に上ることもあります。
一方、スピニング加工はシンプルな構造の金型で済むため、費用を大幅に削減できます。
さらに、成形・切削・カールなどの複数工程を1台で完結できるため、工程短縮によるコストダウンや工数削減にもつながります。
小ロット・多品種に強い柔軟な加工対応
スピニング加工は、段取りが簡単なため、1個〜数十個の小ロット生産に対応できます。試作〜本生産へのスムーズな移行が可能で、また、同じ機械・同じ金型で多品種の形状に対応できるため、複数パターンの形状比較や改良にも最適。製品開発フェーズでのアイデア検証・試行錯誤をスピーディに実現できます。
Case導入事例で見る、スピニング(へら絞り)加工の現場対応力
導入事例1
精密部品メーカー A社様(北陸)
工程数5工程→2工程を実現。スピニング併用で仕上がりも滑らかに。
背景課題:プレス加工の工程数・コストに悩まれていたA社様
A社様では、ある筒状部品の製造にあたり、従来のプレス加工では「5工程におよぶ段取りの複雑さ」や「専用金型の高額な費用(数十万〜数百万円)」が課題でした。
開発初期の段階で、「もっと柔軟に検証できる方法はないか」と模索されていた中、当社へご相談いただきました。
ご提案内容:ワンプレス+スピニング加工による工程削減と品質向上
当社では、初工程のみプレス加工を用い、その後をスピニングで伸ばす“複合プロセス”をご提案。これにより次のようなメリットが期待できることを、試作検証の中で実感いただいています。
- プレス工程は1回で済み、残りはスピニング伸ばし加工で対応可能
- 工程数は従来の5工程から2工程へと大幅に削減
- スピニング加工によって、段差のない滑らかな仕上がりを実現
- 厚みは最小0.05mmまで均一に調整でき、精度面も安定
お客様の声
最初はプレス一択と考えていましたが、工程数や費用の課題から別案を探していました。スピニング加工のご提案はまさに“盲点”でしたが、仕上がりも滑らかで想像以上でした。
量産化に向けて、今後さらに社内で検証を進めていきたいと考えています。
担当者より
今回は、プレス加工だけでは難しい案件も、スピニング加工と組み合わせることで、コスト・品質・工程数のバランスが取れたご提案ができました。また、その後、無事に量産化につなげていただくことができました。

導入事例2
厨房機器メーカー K社様(関西)
3工程を1サイクルに集約。スピニングで時間・金型費・精度すべて改善。
背景課題:工程分割によるコスト増と品質バラつき
K社様では、業務用の筒状部品を「プレス成形 → 切削 → カール加工」という3つの工程で製造されていました。それぞれに専用金型や段取りが必要で、
- 工程ごとの搬送ロス
- 切削による材料ロス
- 最終仕上がりの精度ばらつき
が生産性・品質の面で課題となっていました。
ご提案内容:スピニング1サイクルで、加工を一体化
当社では、スピニングマシンによって以下の3工程をすべて1サイクルで実現する方法をご提案:
- 成形:回転成形で必要形状に塑性加工
- トリミング:不要な外周をその場でカット
- カール加工:エッジ部分を巻き込むように一体成形
このスピニング一体化によって、以下の改善効果を得ることができました:
- 工程数:3工程 → 1工程へ短縮
- 金型:専用金型×3 → 簡易金型×1で済む
- 品質:段差のないスムーズなエッジ成形
- コスト:材料ロス・段取り・工数を大幅削減
お客様の声
最初は“スピニングだけでここまでできるのか?”と半信半疑でしたが、実際に試作を見て納得。精度も見た目も、これなら十分満足です。
加工時間も一気に短くなり、量産の見通しが立ってきました。
担当者より
“工程の分割が当たり前”と思われていた加工でも、スピニングによって「一体成形」が実現できる場合があります。B社様のように「分かれていた工程を1つにまとめたい」というご相談は増えており、スピニング加工が真価を発揮する分野のひとつです。

Solutionプレス加工での課題をスピニング加工で解決
プレス加工での課題
プレス加工は大量生産向けの優れた加工方法ですが、一方で、小ロットや試作、形状によっては以下のような課題があります。
- 金型費が高額
1型あたり20~30万円、複雑なものでは数百万円になることも。 - 複数の工程が必要
1回の絞りで成形できる高さに限界があるため、 「深絞り → 再絞り → しごき」など、3工程以上かかることも。 - 納期がかかる
専用金型の製作に1か月以上かかるケースもあり、試作や短納期への対応に不向きです。
スピニング加工が解決できること
こうした課題に対して、スピニング加工なら次のような改善効果が期待できます。
- シンプルな金型で対応可能
- 1つの金型で、成形・切削・カール加工まで対応
- 工程数の削減、コストダウン、短納期を同時に実現
試作・小ロット・多品種のものづくりにおいて、柔軟性とスピードを兼ね備えた加工法として、スピニング加工は最適です。
材料ロスを抑え、コスト削減にも寄与
スピニング(へら絞り)加工は、円板素材をそのまま回転成形するため、材料の無駄が非常に少なく、高い歩留まり率を実現できます。
一般に、プレス加工の歩留まりが80~90%程度にとどまるのに対し、スピニング加工では95~98%もの材料を製品として有効活用することが可能です。
この違いは、材料費が製品コストに直結する製造現場において、見過ごせない大きなメリットとなります。
スクロール
| 比較項目 | プレス加工 | スピニング加工 |
|---|---|---|
| 金型費用 | 約20万円~(形状・精度により変動) | 5万円~ |
| 試作準備 | 約3~4週間から(型製作含む) | 最短1週間~(図面または現物支給ベース) |
| 初期ロット | 約1000個~(採算ラインとして) | 1個から対応可能 |
| 工程構成 | 工程ごとに金型が必要な場合あり | 成形からトリミング・カール加工まで1サイクル |
| 段取り替え | 金型交換や調整に時間がかかる | 比較的短時間で可能 |
| 設計変更 | 金型再製作で対応(通常数週間以上) | 治具変更でその場対応(形状による) |
| 総合評価 | 大量生産向き | 小ロット多品種向き |
Flowお問い合わせからご契約までの流れ
- お問い合わせ
- ヒアリング
- 概算お見積り
機械7営業日 / メンテ・加工2営業日 - ご訪問・ご提案
- 正式お見積り
- [場合により]試作
- ご契約
- 製作・中間立ち会い
- 納品
- アフターフォロー
- 概算お見積りの目安 : 機械7営業日、加工・試作は2営業日以内にお出しいたします。
- 機械納品は最短4カ月から(汎用機)、加工・試作は2週間で始められます。(形状により)
詳細なヒアリングと迅速なお見積もり
ヒアリングではお客様の課題、予算等をしっかりお伺いいたします。
また、お問い合わせから概算のお見積りまで、通常、機械7営業日、加工・試作、機械メンテナンス2営業日以内でおこなっております。
ワンチームでの課題解決
弊社の専門家がお伺いし営業、技術、設計者が三位一体、ワンチームでお客様の課題の解決、ご要望に迅速に、誠実にご対応できるようご提案いたします。
また機械製作前に試作もおこなっており、製作前に製品の仕上がりをご確認いただけます。
独自のトータルサポートサービス
弊社独自のトータルサポートサービスで、治具のご提案から製作、加工プログラム作成、メンテナンスから納入後の新規案件のご相談もおこなっております。