共に歩んでいける、パートナーでいてほしいと期待しております。

― なぜ、数ある会社の中から、大東スピニングを選ばれたのでしょうか？

大東スピニングさんとのお付き合いは、実はもう何十年にもなります。その長きにわたる関係性の背景には、会長時代から深い信頼関係と、業務の役割分担が明確だったことがあります。かつては、他社が機械製造を担い、大東スピニングさんが加工・メンテナンス・販売を手がけるという体制があり、現場が迷うことなく安心して仕事を進められる環境が整っていました。

ただ、それだけではありません。現場として強く感じているのは、“難しい要望にも真正面から
向き合ってくれる姿勢”です。単なる技術対応にとどまらず、「一緒に考えてくれる」という関係性を大切にしてくれる会社は、実はなかなか少ない。最近では、現場に社員の方が直接足を運んでくださり、材料の厚みや品質について詳細なアドバイスをいただきました。

特に、材料の厚みがスピニング加工の結果に大きく影響するという専門的な視点を共有してくれたときは、「さすがプロだ」と感じました。現場にとって何よりありがたいのは、そうした気づきを“教えてくれる”ところなんです。そういう意味でも、大東スピニングさんは技術者としての目線と、現場に寄り添う姿勢の両方を持った、信頼できるパートナーだと実感しています。

― 実際に導入されてみて、改善点などはありますか？

総じて満足していますが、実際の運用を通して見えてくる課題もあります。まずひとつは、加工業界全体の構造的な変化です。都市部を中心に加工会社そのものが減ってきており、加えてベテラン技術者の高齢化によって、技術の継承が非常に難しくなっているという現実があります。
その中で、大東スピニングさんのように、若手人材が活躍しているというのは非常に頼もしく感じています。

加えて、古い設備にありがちな課題として、制御装置の老朽化問題もあります。いまだにブラウン管が使われているような機械もあり、こうした装置の更新は避けて通れません。実際、一部の他社工作機械では制御の載せ替えに1年以上かかるという話もありますが、大東スピニングさんは
自社内で制御開発が可能な体制を持っており、迅速かつ柔軟に対応してくれる点は、現場として本当にありがたいです。

― 今後、当社が貴社の発展のお手伝いできることがあれば教えてください。

これからの製造現場は、ただ“作る”だけでなく、“考える”力や“つなぐ”力が問われる時代に入ってきていると感じています。特にスピニングのような技術には、素材・製品・顧客ニーズの多様化に対応していく柔軟性が求められます。
そうした中で、大東スピニングさんには今後も、技術の進化をリードする“先導者”として、現場と業界全体を牽引していってほしいと願っています。

たとえば、新しいスピニング加工技術の開発や、最新機械への更新提案などは、現場にとってとてもありがたいものです。何より、現場側が気づかない課題を事前に察知し、技術的な視点で提案してくれることが、私たちにとって最も信頼できるサポートだと感じています。

また、現在すでにおられる若手のエンジニアの方々が、ゼロから制御開発に携わっているという体制も非常に貴重です。こうした人材が継続して育ち続ける環境を保ち、時代の変化にも対応できる組織であってほしいと強く思います。

今後も、これまでと変わらず、技術とスピードの両立、そして現場に寄り添う誠実な姿勢で、共に歩んでいけるパートナーでいてほしいと期待しています。